消費税率引き上げ、「賛成」が3割も〜税制改正では「所得税減税」のほか、「道路特定財源」「たばこ税増税」への期待大〜 【調査の背景】 景気が減速しているなか2007年度税収が予算を下回った。さらに2009年度に向けて安定財源を確保し基礎年金の国庫負担割合引き上げの期限も迫っているなか、政府や各党では税制改正論議が例年に比べて大幅な前倒しで始められるなど、消費税を含めた抜本的な税制改正の必要性に対する認識は非常に高まっている。 そこで帝国データバンクでは、消費税や税制に対する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2008年7月18日〜31日。調査対象は全国2万1,040社で、有効回答企業数は1万651社(回答率50.6%)。 消費税率の引き上げ、約半数の企業が「反対」と回答 近い将来、消費税率が引き上げられることへの賛否について尋ねたところ、「賛成」と回答した企業が1万651社中3,145社、構成比29.5%、「反対」とした企業は同50.1%(5,336社)となり、半数の企業が消費税率の引き上げに対して拒否感を持っている一方で、3割程度の企業は賛意を示していることがわかった。 反対理由は「歳出削減が進んでいない」が8割超 消費税率の引き上げに「反対」と回答した企業にその理由を尋ねたところ、「歳出削減が進んでいない」が5,336社中4,277社、構成比80.2%(複数回答、以下同)で最も多く、次いで「さらに景気が悪くなる」(同66.8%、3,563社)、「政治不信」(同50.3%、2,683社)となった。景気が一層後退することに懸念を感じているほかに、歳出削減が進んでいないなかで政治や行政に対する不信感が反対理由の上位に挙がった。 特に、景気悪化に対しては『小売』(同75.1%、202社)や『金融』(同71.7%、33社)、『卸売』(同70.4%、1,212社)で高く、いずれも7割を超えている。また、政治への不信感は、『中小企業』(同51.3%、2,189社)が『大企業』(同46.0%、494社)を5.3ポイント上回り、中小企業の半数以上が消費税率引き上げを反対する理由として挙げている。 さらに、「これ以上の税率に家計が耐えられない」(同28.9%、1,540社)、「法人税収の増加を目指す国家ビジョンを示すべき」(同23.1%、1,231社)が2割を超えており、消費低迷への懸念や成長戦略に向けた国家ビジョンの欠如が挙がっている。 企業からは、「消費税を上げる前に、的確な政策で景気を上向かせて成長率を高めることが必要」(不動産管理、大阪府)や「国家経営といえども費用対効果を考慮する必要がある」(建築用金属製品製造、岡山県)といった景気対策が先決で行政改革による効率的な政府が必要、という声が多く挙がっている。また、「消費税の逆進性に根本的な誤りがある」(合成樹脂板・管等卸売、宮城県)といった、消費税そのものが抱える問題点を指摘する意見もみられた。 消費税増税が不可避とされるなか、歳出削減、ムダの徹底排除を行い、広く国民の理解を得る努力をしなければならない。 消費税率引き上げの賛成理由、「財源確保は喫緊の課題」が最多 消費税率引き上げに「賛成」と回答した企業にその理由を尋ねたところ、「財源確保は喫緊の課題」が3,145社中1,972社、構成比62.7%(複数回答、以下同)で最も多く、次いで「歳出削減は不十分だがやむを得ない」(同59.4%、1,868社)、「日本の消費税率が低すぎる」(同23.0%、723社)となった。消費税率引き上げに賛成と回答しているが、今の財政状況ではやむを得ないという苦しい胸の内がうかがえる。 また、消費税率を引き上げる時期については、「2010年度」を同47.2%(1,484社)と半数近くの企業が回答している。次いで、「2009年度」が同23.6%(741社)となっており、7割以上の企業が今後2年以内の引き上げが必要と考えている。 企業からは、「今後の環境問題、少子高齢化社会での福祉問題を考えるとやむを得ない」(段ボール箱製造、大阪府)など日本の経済環境の変化に対応するためにも消費税率引き上げはやむを得ないといった声が挙がった。また、「日本は高度な消費社会なので、税の中心を消費税にシフトしていくのは当然」(非鉄金属卸売、大阪府)や「所得税や住民税、法人税などと総合的に考えて消費税率を上げるべき」(産業用電気機器卸売、神奈川県)など税の直間比率見直しの必要性を挙げる意見も多くみられた。しかし、賛成している多くの企業は「歳出削減が必須条件」(ガソリンスタンド、愛知県)など歳出削減を徹底的に進めることを前提条件として挙げている。 次回の消費税率改定において、消費税率は何%に改定すべきか尋ねたところ、「5%(現状のまま)」と回答した企業は1万651社中4,413社、構成比41.4%で最多となった。また、「税率引き上げ」は同40.9%(4,355社)であった。なかでも、税率10%にすべきという回答が同21.3%(2,266社)で、5社に1社が次の消費税率改定で税率10%を念頭においていることがうかがえる。 消費税率引き上げ時の業績への影響、54.8%の企業で「悪影響あり」 消費税率が引き上げられた場合、自社の業績にどの程度の影響を与えるか尋ねたところ、「悪影響がある」と回答した企業は1万651社中5,840社、構成比54.8%となった。半数以上の企業が業績に対する消費税率引き上げの影響を懸念している。また、「影響はない」は同25.8%(2,752社)となり、4社に1社にとどまった。 「悪影響がある」とした企業を業界別にみると、『小売』が同80.5%(379社)となり8割以上の企業で業績に悪影響があると回答している。次いで、『不動産』が同66.4%(174社)と3社に2社にのぼっており、消費税率引き上げによる消費者行動の変化に影響を受けやすい業界で厳しい見方をしているようだ。『金融』(同34.2%、40社)を除くすべての業界で半数以上の企業が「悪影響がある」と回答した。 消費税率引き上げの賛否別では、消費税率引き上げに「反対」と回答した企業の7割近くが業績への悪影響を懸念している。一方、「賛成」と回答した企業では、4割以上は「影響はない」と回答しているものの、「悪影響がある」も同39.1%に達した。 具体的には、「販売価格を上げることができないので、利益から捻出せざるをえない」(建物売買業、神奈川県)や「消費税総額表示のために、消費税の増税分はメーカーにしわ寄せがくる」(日用雑貨卸売、大阪府)など、原油・原材料価格が高騰しているなかで販売価格への転嫁が進まないため、川上産業から川下産業に至るまで消費税率引き上げによって業績悪化につながるという声は多い。また、「駆け込み需要はいいが、その後の消費の冷え込みは死活問題となる」(配管冷暖房装置等卸売、東京都)といった個人消費全体の落ち込みを懸念する意見も挙がった。一方、「医療、福祉の現場では低賃金・ハイリスクで働き手が転職しているが、消費税で適正な診療報酬・介護報酬が決まれば人件費を上げることができ働き手も戻ってくる」(医療・福祉・保健衛生業、鳥取県)や「消費税の変更に伴うソフトウェアシステムの変更・修正による仕事増加が期待できる」(ソフト受託開発、東京都)、「消費税預かりで一時的に資金繰りが楽になる」(飲食料品小売、広島県)といった好影響を指摘する声も聞かれた。 メモリー製品などのパソコン周辺機器と、周辺機器を利用した各種システムで急成長。2005年12月には、同社の新商品の中でも特に成長が著しいUSBメモリー「UD−RW」の機能を活用したインターネット電話「スカイプハンドセット」の販売を開始するなど、パソコン周辺機器を核に事業領域を拡大していき、商品と技術力でトップブランドを目指す。 生え抜きのエンジニアを育成 ハギワラシスコムは半導体メモリーの応用製品の製造販売が主力事業。年間売上高300億円のうち、同製品が90%を占め、半導体メモリーのほか、パソコンに接続してケーブルを使わずに無線でデータを送受信できる通信機器や遠隔操作型監視カメラなどを扱う。パソコン周辺機器と、周辺機器を利用した各種システムで急成長する企業だ。 主力のメモリー製品は一般消費者向けと法人向けを用意している。一般消費者向けにはメモリーカードやUSBメモリー、メモリーモジュールなどをラインアップ。携帯電話やデジタルカメラ用のメモリーカード、さらにはパソコン用の増設メモリーなどで需要を獲得している。 法人向けはフラッシュメモリーが中心。ファクトリーオートメーション(FA)機器や鉄道会社の発券機、コンビニエンスストアのレジなどで、外部記憶装置として使われている。フラッシュメモリーは、同じく外部記憶装置として用いられるハードディスク(HD)に比べて耐振性に優れるなど、過酷な環境にも強いとされる。このため個人のパソコン用としての需要だけでなく、産業機器でも「ハードディスクからの置き換え需要が増えている」(河瀬翔之社長)という。 多様な製品を開発するために同社が最も力を入れているのが、エンジニアの育成。毎年7人程度を新卒で採用し、「2−3年かけて基礎技術をしっかりと教え込む」(同)。生え抜きの技術陣を充実することが、新商品がシェアを左右しやすい半導体メモリー業界にあって、アイデア商品を相次いで成功させる基盤になっている。 新型インターネット電話を販売 新商品の中でも特に成長が著しいのがCD−ROMとフラッシュメモリーの機能を併せ持つUSBメモリー「UD−RW」。パソコンに差し込むだけで内蔵されたソフトやファイルを自動起動し、データの書き込み、削除も一般のUSBメモリーと同様にできる。プレゼンテーションを迅速に行いたいビジネスマンなどから支持されつつあり、法人向けを中心に販売を強化している。 2005年12月、同社はこのUD−RWに搭載している自動起動技術とインターネット電話を組み合わせた新型インターネット電話「スカイプハンドセット=写真」の販売を始めた。パソコンにインターネット専用電話を接続するだけでスカイプのソフトウエアが起動し、通話が可能となる。初期設定する必要がないため、初心者でも簡単に使える。また、ヘビーユーザーにとっても、外出先などでパソコンに接続するだけで使えるため便利だ。さらに、約40メガバイトのデータ領域を持ち、通常のフラッシュメモリーとしての機能も十分果たす。 同社は今後もパソコン周辺機器を核に事業領域を拡大していく。同社の地元の名古屋地区は製造業が好調な地域。地域での知名度を生かしつつ、一般量販店だけでなく、製造業などの法人向けの営業を強化したいところ。海外メーカーなども参入し、競争が最も激しい業界だが、商品と技術力でトップブランドを目指す。 One Point <「非安定的発想」を重視> 変化が激しいコンピューター関連の分野において、独自の存在感を示している。常に変化を求める河瀬社長は「非安定的発想」を重視し、同発想の社員への浸透を図っている。その成果がUD−RWなどに代表される新機能を付加した商品。価格競争を強いられやすいパソコン周辺機器だが、差別化を図ることで価格の下落を避け、収益を増やしている。